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<平成15年度> 第1回 中国ビジネス最前線視察ツアー報告書

 琉球新報(平成15年1月31日)で紹介頂いた、中国最前線視察ツアーに13名の方が参加され、平成15年2月18日〜平成15年2月22日(4泊5日)の日程で上海を中心に視察してまいりました。
 参加メンバーは、建設関係者、不動産関係者、産業廃棄物処理関係者、青果物関係者など、様々な方が参加されました。(※本報告書は、平成15年度のレートで計算しています。)




◆平成15年2月18日(出発)

  私たちは、2月18日の18:25に那覇空港を飛立ち、1時間40分で上海浦東空港に到着しました。
 浦東空港のターミナルは大変大きいのですが、上海の中心地から離れている為交通アクセスが現在は不便です。しかし、今年の12月からは、リニアモーターカーが一般開通し、10分程度で上海の中心地に行けるようになります。
 宿泊先のホテルは、上海で一番の繁華街である南京路の中心に位置した4ツ星の「海倫飯店」でした。南京路は、外国人観光客や中国の若者等が集まり、沖縄の国際通りを大きくし、歩行者天国にしたような通りでした。




◆平成15年2月19日(1日目)

投資環境説明会風景 上海イトキン公司作業風景
 1日目の視察は、上海松江区にある、上海車敦投資開発有限会社を訪問し、松江区の投資環境について董南樵総経理より説明を受けました。
 ※上海松江区は、車で市内中心地から30分、虹橋空港から20分の場所にあります。

 松江区には、日本、香港、マレーシア、台湾、シンガポール企業など、150社が入居しています。開発区の土地取得は出来ますが、あくまで、資産は国が所有し、取得者には50年間の使用権が得られます。上海では、この土地代が非常に安いそうです。
 その後、台湾資本の福星金属工芸有限会社公司と日本資本の上海伊都錦時装中心有限会司の工場を視察しました。
  台湾系の福星金属工芸有限会司はアメリカからの注文を受けてバッチ類を中心に製造、輸出している企業であり、労働者は地方から出稼ぎに来ている若い女子工員で、月給約1,000元(日本円で約15,000円)で働いています。全て手作業の根気の要る仕事です。シンナーの臭いの立ち込める場内での作業なので、健康管理面が気になりました。この企業の経営者は台湾人で、工場長は地元の上海人です。上海で経営するにはやはり地元の上海人が有利なようです。
 次に日系企業の上海伊都錦(イトキン)時装中心有限公司を訪問しました。上海伊都錦は松江区の中でも大きく、成功した日系企業の一つです。主に日本向けの洋服を製造しており、日本からの注文に応じて日本の小売店別に上海で直接分別して配送できる体制を整えています。
 各セクションのリーダーは、日本人の主任を配置おり、日本式のミーティングを取り入れていて、工員の質も高そうでした。


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◆平成15年2月20日(視察2日目)

分譲マンション風景
上海証券取引所
 2日目は、2つのグループ(Aグループ、Bグループ)に分かれて行動しました。
 Aグループの4人は、上海から3時間離れた浙江省長興県の新行政開発区域と分譲マンションを、Bグループの9人は、上海の証券取引所やIT関連企業を視察しました。

 Aグループは、地方部での投資環境の調査を行いました。
 地方都市でも分譲マンションの建設は盛んです。広々とした憩いの広場を配置してデザインも西洋風に仕上げています。一戸当たりの床面積は120u〜240uが主流です。販売価格は、27,000円/uで、内装費用は別途。内装は購入後500元/u〜700元/u(約7,500円〜約10,000)程度かけて完成させるそうです。売れ行きは順調で完成前に完売の状態です。これは政府の住宅借付ローン制度(取得価格の70%、35年ローン)があり、購入する際の初期資金があまり負担にならない為と思われます。

 また長興県政府の現在進めている龍山開発新区は、2002年2月に基本設計の国際コンペで沖縄県の建築家グループが優勝した設計の基本的な部分を採用され、道路建設、図書館、劇場棟等の建設が着々と進められています。
 この開発区の土地の使用権(50年〜70年)は約12,000円/uで取引されています。太湖まで8キロで、行政区からボートで太湖まで行ける水上都市を作り出す計画で、将来は、上海の休暇村的な役割を果たしていく地方都市に成長していくと思われます。

 Bグループは、上海証券取引所の視察を行いました。
 上海証券取引場は、1990年に設立され、同年の12月に非営利法人として営業を始めました。11年間の営業を通じてアジアで最も規模の大きい証券取引所となりました。2001年末まで個人投資家は3400万人、機関投資家は646社が参入しています。この取引場で使用しているコンピュータは1秒で8,000件の売買の処理能力を備えています。




◆平成15年2月21日(視察3日目)

分譲マンション完成予定模型
藩弁護士自宅の内装見学 
 3日目は、最初に上海中心部の東淮海分譲マンション建設現場と完成分譲中の第一期康橋半島新城の分譲一戸建て住宅を視察しました。建設現場は以前より、安全面の配慮のなされた工事が進められていましたが、まだまだ日本の工事管理水準に達していませんでした。
 上海中心部での分譲マンションの販売価額は約12,000元/u〜約25,000元/u(約180,000円/u〜375,000元/u)が主流です。立地条件が良い高価な物件ほど良く売れています。
 上海郊外部の分譲住宅は約5,000元/u〜約7,000元/u(約75,000円/u〜約105,000円/u)程度で、一戸の使用面積は140u〜240u程度が主流です。内装費は別途、12,000円/u程度かけているそうです。分譲住宅開発は1000棟単位で開発していました。
 次に、私達は今回の研修に同行し、案内をしてくださっている、藩弁護士の住宅の内装を拝見させてもらいました。藩弁護士は、『内装は自身でデザインして、良い材料や照明器具などを選び完成させた』と語っていました。中国では自分で内装を楽しみながら住宅を完成させているそうです。
 また、この日は、上海庶民の食品市場を視察しました。新鮮な野菜、肉、生もの、魚介類がところ狭しと並べられていました。市場で、上海カニを皆で買い求めて、地元のレストランで調理してもらいました。お米が40円/kgと食品の安さにました。

 その後、アジアで一番高い上海ハイアットビル(88階建、高さ443m)でコーヒータイムを楽しみました。1階から53階までは、オフィスに使用されており、賃借料は1日当たり1.2ドル/u、最低借上面積は400uです。54階からはホテルとして利用されており、1ヵ月前に予約をしないと泊まれない程の人気があります。このビルがある浦東地区は生活するには不便です。しかし、今後の上海でのビジネス中心地となるのは確実だといわれています。また、ハイアットビルの向かい側では、地上101階、地下3階建てのビル(日本の森ビル)の建設が再開されていました。
上海庶民青果市場 上海ハイアットビル




◆平成15年2月22日(視察4日目)

税務法律セミナー風景
 最終日、私達は藩弁護士の所属する上海申達法律事務所(60名の弁護士が在籍している)を訪問し、藩弁護士より中国経済と中国税制、法律の問題点についてお聞きしました。藩弁護士は、

 ・中国で外国人でも不動産を担保に資金を融資してくれる。
 ・借入可能額は不動産評価額の70%程度である。
 ・現在上海における日系企業は登録されているもので3,500社あり、  外資系では一番多い。
 ・上海における労働者の最低賃金は「710元/月」である。

などの、私達が、今、不安に思っている問題を1つ1つ丁寧に説明して下さいました。中国ビジネスを弁護士の助けなしで進めることは大変危険だという事が勉強できました。また、藩弁護士は日本の中央大学大学院で学位を習得し、日本語も大変流暢で日本人への気配りも実に上手な方でした。

 4泊5日、観光無しの、ビジネスツアーでしたが、このようなツアーの回数を重ねることにより、中国での進出の足掛かりや目標をみつけ、危険な進出を回避し、中国での事業を実現させ、沖縄の閉鎖した経済から抜け出せる突破口が見えてくると思います。参加者の皆さんは遊ぶ時間もなく、大変ハードなスケジュールでしたが、帰りの顔は中国に対する不安の雲がとれ、目が輝いていました。
 参加者の皆さん、どうもお疲れ様でした。



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